靖国参拝支持者はいいます。
「靖国問題は、中国の政治カードに過ぎない」
ならば私は問います。
政治カードに過ぎないのならば、何ゆえ、中国人民も反対しているのでしょうか?
そして、何ゆえに、政治カードに成り得ているのでしょうか?
靖国参拝反対者はいいます。
「靖国神社は軍国主義の象徴だ」
私は問います。
あなた方は、靖国の成り立ち、戦前の宗教観、近代天皇制、大東亜戦争等を都合の良い内容に解釈しては、
その主張を正当化しておられますね。
しかしながら、参拝支持者たちも同じ方法を用いれば
「靖国神社は平和主義の象徴だ」
という逆の理屈も、簡単に作れてしまう事に、なぜ、気付かれぬのでしょうか?
靖国参拝反対者はいいます。
「A級戦犯を弔うのは、戦争の美化だ」
私は問います。
祖国の為に、その全ての罪を一身に引き受け、祖国の為に犠牲となって処刑された人々に、
首相が手を合わせずして目をそむける事が、国家の代表者の務めといえるのでしょうか?
そして、私は双方の方々に尋ねます。
靖国問題について、ある疑問を抱かれた事はないかと。
それは、
なぜ、中国政府は、既に処刑されて贖罪を果たした人々を、その死後もA級戦犯と呼称するのか
・・・・という疑問です。
実は、靖国問題の最大の問題点は、政治的なものではなく、日中の決定的な死生観の違いにあるのです。
日本には「死んで詫びる」という言葉があります。
しかし、中国人には、この言葉は理解できないといいます。
彼らは、「なぜ、死んだら侘びた事になるんだ」と、眉をしかめるというのです。
日本語の「死んで詫びる」とは、“死は贖罪になる”という考え方があるからこそ、成り立つ表現です。
ところが、驚かれるかも知れませんが、中国には、死が贖罪になるという考え方は存在しないのです。
だから彼らには、「死んで詫びる」という表現が理解できないのです。
日本人でありながら八路軍に従軍した経験を持つ、『僕は八路軍の少年兵だった』の著者・山口
盈文氏も、
「人は死んでも罪が消えない」という中国人の独特の考え方を知った時、驚愕したといいます。
そう。
私たち日本人に取っては贖罪を果たした人々が、
中国人の死生観から見れば、未だ罪の消えぬ戦争犯罪者に見えてしまうのです。
今や神仏となった人々に手を合わせる行為が、中国人の目には現役の戦争犯罪者に手を合わせているかのような印象を与えてしまうのです。
この死生観の違いがあるからこそ、中国政府だけではなく、中国人民も抗議するのです。
だからこそ、中国政府は、これを政治カードとして使う事ができるのです。
いいえ、中国文化の影響で、我が日本でも罪人の死体が、見せしめの為に打ち捨てたり武芸者の試し斬りに使われる時代がありました。
しかし、戦没者ならば多くの場合、敵味方・善悪を問わず、丁重に弔われ、塚や墓が立てられるのが普通でした。
その代表例が、北条時宗が建立した円覚寺と博多に点在する蒙古塚です。
<円覚寺>
<蒙古塚>
円覚寺は、日本を侵略し、殺戮と略奪を行った蒙古兵を慰霊する為に、建立された寺院です。時宗は、わざわざ一千体の地蔵尊を作って奉納しました。
そして、蒙古塚は、蒙古兵の戦死体や処刑囚の遺体を供養する為に、日本人の手によって立てられたものです。
例え敵であっても、死後はその罪を問わない・・・・これは、中国人の死生観では考えられないことなのです。
かの国では、敵の遺体は切り刻み、敵の墓は掘り返し、敵の遺骨を鞭打つのが当たり前なのですから。
しかし、日本人も中国人も共に、この死生観の違いを理解していません。
ゆえに、中国人は「靖国参拝は戦争美化だ」と解釈し、
日本の国粋主義者は「中国は、死者を冒涜する嫌がらせを行っている」と解釈し、
日本の保守知識人らは「中国は、単に、政治カードに使っているだけ」と解釈してしまっているのです。
互いにバラバラに解釈し、互いに誤解しあっている以上、これではいつまで経っても靖国問題は解決しません。
では、なぜ、このような誤解が、
ここまで大きくなり、国際問題にまで発展してしまったのでしょうか?
皆さま、ご存知ですか?
そもそも、この問題を勃発させ、この誤解を増長させ、遂には外交問題にまで発展させたのは、中国政府ではなく、日本の一部の左翼であり、ある新聞社だという事を。
どこの新聞社かは名指しすることは控えます。
しかし、今まで複数の保守雑誌、はては漫画ですらも、証拠記事付きで指摘してきた大変有名な新聞社です。
暴力革命ではなく、“捏造”報道によって革命を成し遂げようとしてきた左翼系新聞社です。
もしかすると
この辺に、その新聞社の名前が載っているかも知れません。
戦後、○○主義等を唱え、新しい政権を樹立を目指してきた人々は、
自らの政府批判と反国家思想を正当化する為に、「平和」と「反戦」の二文字を乱用・悪用してきました。
彼らは、それを剣と成し、或いは盾と成し、或いは隠れ蓑としてきたのです。
その結果、日本の平和主義と反戦運動は
近代天皇制を批判しても、中国・北朝鮮の独裁体制は批判せず........
大東亜戦争賛美を批判しても、自らの過去の文革賛美や北朝鮮賛美は反省せず......
日の丸を「侵略の象徴」と批判しても、世界に災厄をもたらした「破滅の象徴」である赤旗は容認し......
君が代を「天皇を崇拝させる洗脳だ」と批判しても、中国の軍国色の強い義勇軍行進曲を「敵愾心を煽る洗脳だ」とは批判せず.......
国旗・国歌を軍国主義への洗脳だと教育しては、子供たちを反国家思想に洗脳し.........
戦前の思想弾圧を批判しても、中国の法輪功迫害を初めとする弾圧には目をそむけ.........
「人権」を盛んに唱えても、中国・北朝鮮の人権侵害は無視し........
防衛が必要だった時代の日本の軍国主義を異常と見なしても、時代錯誤な中国・北朝鮮の軍拡は異常と見なさず.......
旧日本軍の蛮行を批判しても、国民党軍や人民解放軍の蛮行は黙殺し.....
米国の覇権を批判しても、中国の覇権には目をつむり......
米国の核保有を反対しても、中国の核保有は支持し、ついでに北朝鮮の核保有は黙殺.......
・・・・・という余りにも歪んだ平和主義と反戦運動へと、変わり果ててしまいました。
このような、己が政府批判と反国家思想を正当化する為に、都合の良い「平和」と「反戦」を活用してきた新聞社と人々が、
日中間の死生観の違いに漬け込んで、政府批判の口実と成す為に勃発させた問題こそが、靖国問題なのです!
靖国問題とは、中国が、死生観の違いに気付かずクレームを付けた事が始まりではなく、
日本の一部の左翼が、故意に中国に誤解を与えた事が発端なのです。
「靖国神社は、軍国主義の象徴」「首相の参拝は戦争の美化」という真っ赤な嘘を内外に喧伝し、
誤解を解く事に努める所か増長させ続け、ここまで問題を拡大し、国際問題にまで発展させたのは、中国政府ではなく、日本の一部の左翼なのです。
(左翼と称する人々が、ことごとく、靖国問題を「軍国主義だ」と論じ、誤解を増長させ続けている事実が、何よりの証拠です)
もし、この靖国問題で断罪されるべき人がいるというならば、
それは、
死生観の相違に気付かずに批判する中国人民でしょうか?
それを政治カードとして活用する中国政府でしょうか?
それを真似る韓国政府でしょうか?
それとも、国家の為に犠牲となった人々に手を合わせる日本の総理でしょうか?
それとも、死者の魂までも政府批判に利用し、日中間の誤解を解くどころか逆に誤解を増長させ、
大問題に発展させ続けている日本の一部の左翼でしょうか?
そんな事は、論ずるまでもありません!
真に靖国問題を解決したいと願うならば、取るべき選択は、
英霊を見捨て日中友好を取る事ではなく、
日中友好を蹴って英霊に報いる事でもなく、
円覚寺や蒙古塚の例を取り上げる事によって、中国政府と人民に、死生観の違いに因を成す誤解を解く事に努めると共に、この誤解を増長させ続けている一部の左翼を糾弾するという・・・第三の選択を選ぶ以外にありません。
この国内の毒芽を摘まねば、靖国問題は何万年経っても解決しない事でしょう。
もし、政府関係者の方が、これをご覧になっているのならば、申し上げます。
次に参拝する時は、この誤解を解き、「平和への祈りだ」とアピールする為に、各国駐日大使を伴っての集団参拝を実現なされる事を願います。
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